選択的夫婦別姓はなぜ進まない?賛否の理由と2026年法改正の行方
司法の場においても、夫婦同姓を定めた民法第750条の合憲性をめぐって激しい法廷闘争が繰り広げられてきました。最高裁判所大法廷は2015年および2026年の2度にわたり「合憲」判断を下しています。憲法24条が保障する「婚姻の自由」や「両性の本質的平等」に照らし、現行規定は直ちに憲法違反とは言えないという判断です。
しかし、この判決を額面通りに「夫婦同姓の維持を認めた」と解釈するのは正確ではありません。最高裁の決定文や裁判官の個別意見を詳細に読み解くと、司法の強いメッセージが浮かび上がります。
多数意見の中には「この問題は国会で論ぜられ、判断されるべき事柄にほかならない」と明記されており、制度の合理性や選択的夫婦別姓の導入可否は司法の違憲審査ではなく立法府の裁量に委ねられている旨が強調されました。さらに、裁判官の中からは違憲意見や「通称使用では不利益を解消しきれない」とする補足意見が相次ぎました。司法は現行法を形式的に合憲と維持しながらも、実質的には国会に対して「速やかな法改正の議論を進めよ」というボールを投げ返した状態が続いています。