なぜ惹かれる?ドSの正体と心理学が見抜く「隠れドS」の決定打
語源を辿れば、18世紀フランスの貴族であり作家でもあったマルキ・ド・サドに行き着く。暴力や残酷な描写を通じて性的快楽を追求した彼の著作群から、精神医学者のリヒャルト・フォン・クラフト=エビングが「サディズム」という病理概念を提唱したのがすべての始まりだった。
精神分析の創始者ジークムント・フロイトは、攻撃性とリビドー(性衝動)が融合した心理構造としてサディズムを位置づけた。自らの内にある無力感を打ち消すため、他者を支配下に置いて全能感を味わおうとする機制である。
しかし、日本独自の俗語文化の中で「S」という記号は、原義のおぞましい暴力性を脱色され、コミュニケーションの調味料として再構築された。「ド」という強調語を冠したこのスラングは、いまや病理ではなく、ひとつの人間味あるキャラクター類型として社会に定着している。