隅肉溶接とは?開先溶接との違いや強度計算・脚長の基準を徹底解説
設計者の意図を加工現場へ正確に伝達するためには、JIS Z 3021(溶接記号)に準拠した製図が不可欠です。記号の配置を誤ると、意図しない逆側への溶接や脚長不足による強度不足を招きます。
隅肉溶接の基本記号は直角三角形(⊿)で表され、基線(水平線)と矢(指示線)の組み合わせによって位置を指示します。
- 基線の下側に直角三角形:矢が指している「矢の側(手前側)」に隅肉溶接を実施。
- 基線の上側に直角三角形:矢が指している面と反対側の「矢の反対側(裏側)」に隅肉溶接を実施。
- 基線の上下両側に直角三角形:両側隅肉溶接を実施。
- 直角三角形の左側の数値:脚長サイズ(例:6⊿ → 脚長6mm)。
- 直角三角形の右側の数値:溶接長さおよびピッチ(断続溶接時)。
連続隅肉溶接と断続隅肉溶接の使い分け
継手全長にわたって隙間なく溶接する連続隅肉溶接に対し、一定の間隔を空けてビードを配置する断続隅肉溶接があります。断続溶接には、左右のビード位置が一致する「並列断続隅肉溶接」と、互い違いに配置する「千鳥断続隅肉溶接」が存在します。
例えば、JIS図面で「6⊿ 50(100)」と記載されている場合、脚長6mm、1区間の溶接長50mm、ピッチ(中心間距離)100mmの断続隅肉溶接を意味します。断続溶接は熱入力と溶接材料を削減し、部材の歪みを最小限に抑える利点があるものの、ビードの始端・終端に応力が集中するため、動的荷重が作用する重要構造部や腐食環境下での使用は避けなければなりません。