もみじマークは何歳から?70歳と75歳の違いと貼らない罰則の真相
現在流通している高齢運転者標識には、オレンジと黄色の水滴型をした旧来の「もみじマーク(通称:枯れ葉マーク)」と、4色の葉を組み合わせた「四つ葉マーク」の2種類が存在します。なぜデザインが変更されたのか、その背後にはかつて国会やメディアを揺るがした激しい世論の反発劇がありました。
1997年に導入された初代マークは、秋の紅葉をイメージしたデザインでした。転機が訪れたのは2008年(平成20年)6月の道路交通法改正です。政府は75歳以上のドライバーに対し、マークの表示を「罰則付きの完全義務化」へと舵を切りました。違反者には反則金4,000円と違反点数1点を課す方針を打ち出したのです。
この強行策に対し、高齢者当事者や各界から「枯れた落ち葉のマークを強制的に貼り付けさせ、年寄り扱いして差別するのか」「プライドを傷つける」といった猛烈な抗議が殺到しました。後期高齢者医療制度の導入時期とも重なったことで政治問題へと発展し、施行からわずか1年後の2009年、政府は法改正を行って罰則の適用を事実上凍結、再び努力義務へと戻す異例の撤回劇を演じました。
この騒動を受け、警察庁はイメージ刷新を目的として新デザインの公募を実施。2011年(平成23年)2月1日に導入されたのが、シニアの頭文字「S」をあしらい、四つ葉のクローバーを模した現行マークです。旧もみじマークに対する心理的抵抗を和らげる意図で刷新された経緯がありますが、現在でも旧デザインのもみじマークは有効であり、買い換えることなくそのまま使用し続けても法的な問題はありません。