無性愛者のリアルな特徴と診断|アセクシュアルの結婚と悩みの真相
無性愛者とは、英語の「Asexual(アセクシュアル / エイセクシュアル)」に該当し、他者に対して性的な欲求や惹かれ(性的牽引)を抱かない性的指向を持つ人を指します。ここで極めて重要なのは、「性的な行為を我慢している(禁欲)」状態や、「性欲そのものが枯渇している生理的障害」とは根本的に異なるという点です。
人間の指向を分析する心理学・社会学の領域では、「性的指向(Sexual Orientation)」と「恋愛指向(Romantic Orientation)」を分離して捉えるモデル(Split Attraction Model)が広く採用されています。無性愛者は、性的なアプローチや肉体的な接触に対する欲求が生涯を通じて他者に向かないという心理的特徴を持ちます。自慰行為による生理的な性的快感の処理を行う当事者が存在する一方で、「他者と一緒に性行為を行いたい」という衝動が湧きません。
周囲から「ただ良い人に出会っていないだけ」「大人になれば自然とわかる」といった言葉を投げかけられ、自らの感覚を疑い続けてきた当事者も多く見られます。しかし、米国精神医学会の診断基準(DSM-5)においても、本人が苦痛を感じていない無性愛の自認は「性的機能不全」などの精神疾患から明確に除外されており、確立された固有のアイデンティティとして位置づけられています。