近くの精肉店はなぜ安い?スーパー比較と惣菜・和牛の真価をプロが解剖
消費者が抱く「専門店=高級で高価」というイメージを覆す背景には、食肉業界特有のサプライチェーン構造があります。一般的なスーパーマーケットでは、生産者から食肉処理場、一次卸、二次卸、プロセスセンター(加工工場)を経て店頭に並ぶため、各段階で中間マージンと物流コストが加算されます。さらに、ガス置換パックやトレイなどの包装資材費、陳列人件費も販売価格に転嫁されています。
これに対し、精肉店の卸直営や一般販売を行う店舗では、市場からの直接買い付けや枝肉(骨付きの肉)での一頭買いを行っています。東京都中央卸売市場食肉市場の関係者への取材によると、「自店で骨抜きや脱骨・トリミング(整形)を完結できる技術を持つ精肉店は、加工済みパーツ肉を仕入れるスーパーに比べて仕入れ原価を大幅に圧縮できる」と証言されています。この流通の短縮化こそが、近くの精肉店が安い理由の根本にあります。
また、毎週決まった曜日に設定される近くの精肉店 和牛特売日では、ロースやカルビといった花形部位だけでなく、切り落としやスジ肉まで一頭丸ごと売り切るための戦略的な価格設定が行われます。グラムあたりの単価で見ると、スーパーの特売牛肉よりも等級の高い和牛が手頃に入手できる現象が頻繁に起きています。