タイガー・ジェット・シンの現在|狂虎がカナダ屈指の大富豪になった真相

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タイガー・ジェット・シンの名を日本全国に決定づけたのは、何と言っても新日本プロレスの創業者・アントニオ猪木との凄惨なライバル関係でした。その頂点とも言える伝説が、1973年11月5日に発生した「新宿伊勢丹前襲撃事件」です。

当時の報道や関係者の証言を振り返ると、事件は白昼堂々、東京都新宿区の伊勢丹前で起きました。妻の倍賞美津子さんとショッピングを楽しんでいた猪木に対し、シンが突如として路上で襲撃を敢行。周囲の一般買い物客が悲鳴を上げて逃げ惑う中、シンは猪木を一方的に殴打し、現場は警察官が駆けつける大騒動へと発展しました。

この事件は一般紙の社会面でも大きく報じられ、社会的な波紋を呼びました。しかし、これによって「プロレス=予定調和のショー」という世間の冷ややかな見方は粉砕され、猪木対シンの遺恨試合は全国のプロレスファンを熱狂させるドル箱カードへと昇華したのです。

翌1974年6月26日、蔵前国技館で行われたNWF世界ヘビー級選手権試合では、怒りに燃える猪木がシンの腕を容赦なくへし折る「腕折り事件」が発生。リング上に響き渡ったシンの絶叫と骨が折れる鈍い音は、昭和プロレス屈指のリアリズムとして今なお語り草となっています。サーベルを手に観客席へ乱入し、逃げ惑うファンを本気で恐怖させたシンの狂気は、日本のプロレス文化における「究極の悪役像」を完成させました。

中島 亮太

中島 亮太

写真家・フォトエディター

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。