ゴキブリが人間に飛んでくる理由とは?襲う・寄生の真相と撃退法
室内でゴキブリと対峙した際、突如として顔や胸元めがけて滑空され、生きた心地がしなかったという声は後を絶ちません。しかし、ゴキブリの生態真相を観察すると、彼らに人間を捕食・威嚇しようという意図は毛頭ありません。
最大の要因は、ゴキブリの視力と光走性にあります。ゴキブリの複眼は解像度が極めて低く、視力に換算すると0.01未満とされています。人間の姿形や表情を正確に認識することはできず、捉えているのは大まかな「光と影のコントラスト」や「動く物体の輪郭」に過ぎません。危機を感じたゴキブリは、本能的に光を避けて暗い方角へ逃走を図ります。その際、照明を背負って立つ人間の巨大な影が「身を隠せる暗い隙間や巨大な木」に見えてしまい、パニック状態のまま影の中心=人間へ向かって直進してしまうのです。
さらに、飛翔能力そのものの未熟さも関係しています。クロゴキブリをはじめとする飛翔可能な種であっても、ハチやハエのように自在にホバリングや方向転換ができるわけではありません。彼らの飛行は高い位置から斜め下へと滑空する「羽ばたき落下」に近く、着地点の精密なコントロールが効きません。逃げ場を失って飛び立った結果、たまたま人間の体勢や進行方向と軌道が重なってしまうケースが大半を占めます。
加えて、ゴキブリは触角にある感覚毛で人間の体温や放出される二酸化炭素、湿気を敏感に感知しています。20度〜30度前後の暖かく湿った環境を好む性質があるため、冬場やエアコンの効いた部屋では、熱源である人体の周囲へ無意識に引き寄せられる条件が揃ってしまうのです。