カルティエ「ラブリング」の意味と噂の真相|愛の絆か束縛か?
ラブリングのルーツは、1969年にカルティエ・ニューヨークで誕生した「ラブブレスレット(LOVE Bracelet)」にあります。手がけたのは、当時カルティエの革新的なジュエリーデザイナーとして名を馳せたアルド・チプロ(Aldo Cipullo)です。
当時のニューヨークは、ベトナム戦争への反戦運動やヒッピームーブメントが巻き起こり、「Make Love, Not War(戦争をやめて愛し合おう)」というスローガンが街を席巻していた激動の時代でした。チプロは失恋の痛手を経験した直後、「愛する人を決して失わないための、外すことのできないジュエリーを作りたい」という切実な想いからデザインをスケッチしたと自著やインタビューで語っています。
最初に登場したブレスレットは、専用のスクリュードライバー(ネジ回し)がなければ着脱できない仕様となっており、パートナーがドライバーを持って相手の手首にビスを締めるという儀式的なギミックが話題を呼びました。カルティエはこの製品を「現代の愛の手錠(Modern Love Handcuffs)」と位置づけ、当初はカップルでなければ購入できないという厳格なプロモーションを展開したほどです。
このブレスレットの絶大な成功を受け、より日常的に身につけられるアイテムとしてラインナップに加わったのが「ラブリング」です。エリザベス・テイラーとリチャード・バートン、ソフィア・ローレンといった伝説のセレブリティから、日本国内では平成の歌姫・浜崎あゆみや安室奈美恵、さらには現代のトップモデルや俳優たちに至るまで、世代を超えて多くの著名人に愛用され続けています。