東京湾に津波は来ない説の真相|首都直下・南海トラフの被害想定と現実

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ネット上や一部のコミュニティで「東京湾には津波が来ない」と語られる背景には、房総半島と三浦半島に挟まれた浦賀水道の狭さ(約6km)があります。外洋(太平洋)で発生した巨大津波のエネルギーは、この極端に狭い湾口を通過する際に大きく減衰し、内湾へと広がる過程で波高が下がる傾向にあるのは物理的な事実です。

しかし、これは「津波がゼロになる」ことを意味しません。歴史を紐解けば、1703年に発生した元禄関東地震における津波の歴史が明白な証拠を残しています。当時の記録によると、品川宿や深川周辺まで津波が遡上し、江戸市中の沿岸部に甚大な浸水被害をもたらしました。地形による減衰効果はあるものの、湾内に入り込んだ波は浅い海底で速度を落としながら波高を上げ、海岸線へと押し寄せます。「来ない」のではなく「外洋沿岸に比べて波高の現れ方が異なる」と理解するのが正確です。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。