アブに刺された!激痛と腫れが引かない理由&絶対知るべき応急処置法

アブに刺された!激痛と腫れが引かない理由&絶対知るべき応急処置法にまつわる最新トピックを詳しく紐解きます。

ネット上やSNSでは「アブに刺された」と表現されるケースが大半ですが、昆虫学および医学的な観点から正確に言えば、アブは皮膚を「刺している」のではなく、鋭利なノコギリのような口器で「皮膚を切り裂いて滲み出た血をすすっている」状態です。針金のように細い口吻を毛細血管にスムーズに差し込む蚊とは根本的に侵襲度が異なります。

アブ(ウシアブ、イヨシロオビアブなど)のメスは産卵に必要なタンパク質を得るため、動物や人間の皮膚を刃物のような小顎・大顎で物理的に切り裂きます。これが、接触した瞬間に飛び上がるほどの鋭い激痛と出血を伴う直接の原因です。

さらに厄介なのが、傷口から注入されるアブの唾液腺物質です。アブの唾液には、宿主の血液凝固を阻害する抗凝固成分や血管拡張ペプチドが大量に含まれています。これらが体内に侵入すると、人体の免疫機構が過剰に反応し、ヒスタミンやロイコトリエンといった炎症性物質が一気に放出されます。刺された直後の痛みだけでなく、数時間から翌日にかけて赤紫色の強い紅斑や熱感を伴う浮腫(むくみ)が広がるのは、このアレルギー反応(即時型および遅延型過敏反応)が原因です。

「刺されてから2〜3日経っても腫れが全く引かない」という声が多いのは、傷口の物理的な組織破壊と、唾液成分が引き起こす激しい遅延型免疫反応が重なっているためであり、決して異常な体質によるものだけではありません。

阿部 裕樹

阿部 裕樹

エンタメ専門ジャーナリスト

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。