核のボタンは実在するのか?黒いカバンと米露発射手順の真相【2026】
核のフットボールを開いて攻撃プランを選んだとしても、それだけでは命令は成立しません。最も重要な関門となるのが、大統領本人の身元を軍に証明する暗号コードです。このコードが記載されたカードは、その形状から通称「ビスケット(The Biscuit)」と呼ばれています。
ビスケットは、クレジットカードサイズのプラスチック製カードで、大統領が常にポケットや財布に入れて携帯します。カード表面のスクラッチ部分を削ると、日替わりで更新される「ゴールド・コード(Gold Code)」と呼ばれる英数字の乱数列が現れます。国防総省の当直将校から「チャレンジコード」を提示された大統領は、このビスケットに書かれた合致コードを読み上げることで、初めて正式な最高司令官本人であると認証される仕組みです。
過去には、このビスケットを巡るヒヤリとする逸話も残されています。
- ジミー・カーター大統領:スーツのポケットにビスケットを入れたまま、うっかりクリーニングに出してしまった。
- ロナルド・レーガン大統領:1981年の暗殺未遂事件で銃撃された際、救急病院で衣服を切り裂かれた拍子にビスケットが病室の床に転がり落ち、一時行方不明になった。
- ビル・クリントン大統領:数カ月間にわたってビスケットを紛失していたことを誰にも言い出せなかった。
アメリカ合衆国憲法上、大統領は「単独の核発射権限(Sole Authority)」を有しています。議会の承認や閣僚の同意を待つことなく、法的には大統領一人の決断で核攻撃を命じることが可能です。だからこそ、この「ビスケット」の厳密な管理が安全保障上の生命線となっています。