嵐の名曲『Yes? No? 』が神曲と呼ばれる理由|魂のラップと伝説演出を徹底解剖
音楽的な構成美においても、『Yes? No?』は嵐のボーカルワークの黄金比を体現しています。Aメロ・Bメロにおける各メンバーのソロパートからサビへの流れ、そして感情を爆発させる大野智のハイトーンボイスが楽曲の屋台骨を支えています。
特に特筆すべきは、中盤に配置された櫻井翔のラップ(サクラップ)の存在感です。櫻井自身が手掛けたリリックは、韻を踏むテクニカルな快感と叙情的なメッセージ性が高次元で同居しています。
当時のインタビューにおいて櫻井は、既存の敷かれたレールではなく自分たち自身の手で道を作っていく苦悩とプライドを語っていました。「自問自答」を繰り返しながらも最後には顔を上げ、聴き手をアジテートするようなラップのフロウは、グループが持っていた反骨精神そのものです。このラップパートがあるからこそ、単なるキャッチーなポップスに終わらず、聴く者の心を揺さぶる重厚な人間ドラマへと昇華されています。
さらに、サビ前の「Yes? No?」というコーラスの掛け合いや、大野の突き抜けるようなフェイクが重なる終盤の展開は、5人の声の重なり(ユニゾン)の美しさを最大限に引き出すボーカルディレクションとなっています。