暴走族を珍走団と呼び変えた社会の現在地と警察が敷く最新包囲網

暴走族を珍走団と呼び変えた社会の現在地と警察が敷く最新包囲網にまつわる興味深い視点を詳しく紐解きます。

路上から熱狂が消え失せる一方で、映像文化の中における彼らの扱いは特異な変遷を遂げてきた。1970年代から80年代にかけて、石井聰亙監督が映画『狂い咲きサンダーロード』で描いたのは、社会秩序に抗う若者たちの剥き出しのエネルギーと狂気だった。さらに同時期、柳町光男監督が手掛けた伝説的な社会問題・ドキュメンタリー映画『ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR』は、虚勢を張る少年たちの孤独と家庭環境、行き場のない鬱屈をフィルムに焼き付けた。

当時の映像が捉えていたのは、単なる道交法違反の犯罪者集団ではなく、高度経済成長の影で生じた強烈なサブカルチャーの胎動だった。当時の社会が抱いていた恐怖とある種の畏怖は、ドキュメンタリーの生々しさとともに記録されている。しかし半世紀近くが経過したいま、それらの熱量は完全に脱色され、ノスタルジーか、あるいは理解不能な過去の奇習としてアーカイブの棚に収まっている。

山本 拓海

山本 拓海

ヘルス&ウェルネスアドバイザー

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。