ポワントとは?トウシューズとの違いや立ち方の仕組み・基準を徹底検証

ポワントとは?トウシューズとの違いや立ち方の仕組み・基準を徹底検証とはどんな影響があるのか? 詳しい意味を丁寧に紐解いて紹介します。

全体重、さらにはジャンプの着地時には体重の数倍(およそ10倍前後)にも達する衝撃が、わずか直径数センチメートルの足先にかかります。木片やスチールが入っていると誤解されがちですが、内部に金属などは一切使われていません。伝統的なポワントの内部は、麻布や綿布(バーラップ)を幾重にも重ね、小麦粉やデンプン質の特殊な天然糊、あるいは近代的なポリマー樹脂で塗り固めて乾燥させた「ボックス」と呼ばれる硬化カップで形成されています。

このボックスに加え、靴底の中敷き部分には硬質レザーや特殊樹脂プレートで作られた「シャンク」と呼ばれる芯材が内蔵されています。つま先で立った際、床に接する先端の平らな面を「プラットフォーム」と呼びますが、ポワントで立てる仕組みの神髄は、プラットフォームの硬さだけで垂直に突っ立っているわけではない点にあります。

爪先立ちの瞬間、足の甲はアーチを描いて前方に押し出され、その重力方向への崩壊を底部のシャンクが強力な板バネのように反発して受け止めます。同時に、ボックスの側面が足の指と中足骨を左右と上下からしっかりと万力のようにホールドし、摩擦抵抗によって足が靴の奥底へと滑り落ちるのを食い止めます。つまり、接地面積数平方センチメートルのプラットフォームにかかる荷重を、摩擦と弓なりの反発張力によって足裏全体、そして脚のアライメント全体へ分散させる力学構造が確立されているのです。

ここで求められるのが「ポワントの正しい立ち方」です。初心者に散見される典型的な失敗が、痛みを恐れるあまり靴の中で足指をギュッと丸めて爪の表面で立とうとする「ナックリング(屈曲)」です。ナックリングを起こすとボックスの分散機能が無力化され、第1中足骨間接や足指の関節に直接破壊的な圧力が加わります。正しくは、靴の中で足指を扇状に長く伸ばし、中足骨を広げた状態でボックス壁面と密着させ、引き上げた背背筋群とお腹のインナーマッスルで骨盤を垂直に保ちながら、床を真っ直ぐ下に押し抜く身体操作が必須となります。

伊藤 翔太

伊藤 翔太

フード&トラベルライター

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。