母乳で育った子の将来はどう変わる?免疫と発達をめぐる最新科学
日本国内の大規模なリアルワールドデータも、従来の通説に新たな光を当てている。環境省が実施する「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」の大規模追跡研究や、学術プラットフォームJ-STAGEに集積された国内の小児発達研究において、母乳哺育と神経発達の相関関係が詳細に検証されている。
国内のデータを分析すると、母乳育児を行った群において言語発達や微細運動のテストでわずかな優位性が記録される例はあるものの、交絡因子を統計的に除外するとその差は極めて小さくなる。親の学歴、経済状況、日々のスキンシップや語りかけの頻度といった環境要因を補正した場合、知能の発達を決定づけるのは授乳の形態そのものではなく、育児環境の総合的な豊かさであるという見解が医学界で強まっている。