富士山噴火ハザードマップの衝撃|改定で判明した首都圏降灰の真実

富士山噴火ハザードマップの衝撃|改定で判明した首都圏降灰の真実を徹底追究! 読者が気になる トピックの裏側を凝縮して配信します。

改定ハザードマップの実装において、現場の自治体が最も頭を抱えたのが「避難計画の根本的見直し」でした。従来の「自家用車で一斉に遠方へ逃げる」という計画は、激しい渋滞を引き起こして車列ごと溶岩流に呑まれる危険性がシミュレーションで立証されたためです。

現在、静岡県山梨県避難ルート詳細では、火口近傍および溶岩流が早期に到達するエリア(第1次避難エリア)において、「原則徒歩による避難」が鉄則とされています。健常者は車を使わず、あらかじめ指定された高台や安全な尾根沿いの避難所を目指すことが義務づけられました。

しかし、自治体が開催した住民説明会の現場では、住民から切実な声が噴出しています。

「高齢者や乳幼児を抱えて、徒歩で数キロ先の高台まで雪や灰が降るなか逃げ切れるのか」
「観光客が数十万人押し寄せているハイシーズンに噴火した場合、土地勘のない人々がパニックを起こし、主要道路は数十分で完全封鎖されるのではないか」

こうした懸念は決して杞憂ではありません。現場の道路網は限られており、中央自動車道や東名・新東名高速道路は、噴火発生の一報とともに緊急車両専用レーンに指定されるか、降灰によって即時通行止めとなります。車という文明の利器を奪われた状態で、いかに迅速に初動を起こせるか。地域コミュニティの共助体制は今、極めて重い試練に直面しています。

一方、首都機能麻痺リスクと対策に目を向けると、首都東京の脆弱性は想像を絶します。国土交通省の試算では、都心の降灰がわずか1ミリに達した時点で鉄道各線はポイントの切り替え不能や車輪のスリップにより全線運転見合わせとなります。道路も視界不良とスリップ事故の多発で機能停止に陥り、物流トラックがストップ。都内のコンビニやスーパーの棚は2日と持たずに完全に空になります。東京23区で発生する火山灰の総量は数千万立方メートルに達し、東日本大震災で生じた災害廃棄物を遥かに超える量の灰をどこへ投棄するのかという根本問題すら、未だ完全な解決策は見出せていません。

松本 悠斗

松本 悠斗

サステナビリティ研究家

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。