ヘテロクロミアの日本人は実在する?確率や遺伝の真相を眼科視点で徹底解明

ヘテロクロミアの日本人は実在する?確率や遺伝の真相を眼科視点で徹底解明について押さえておきたい 事実を分かりやすく解説いたします。

瞳の色が左右で分かれる背景には、生まれつきの遺伝的要因と、生後の病気や怪我による後天的要因の2系統が存在します。それぞれの発生機序は医学的に明確に区別されています。

先天性のメカニズムと遺伝性疾患「ワールデンブルグ症候群」

先天性ヘテロクロミアは、胎児期における神経堤細胞の遊走異常や、メラニン合成を司る遺伝子の局所的変異によって生じます。受精卵が細胞分裂を繰り返す過程で、片方の眼球側のみメラノサイト(色素細胞)の増殖や機能に差異が生じると、左右で色素沈着に決定的な差が生まれます。

もう一つの重要な原因が、遺伝性疾患に伴う症状です。代表例として知られるワールデンブルグ症候群(Waardenburg syndrome)は、内耳の難聴、前頭部の白髪(毛髪の一部白化)、皮膚の色素脱失とともに、非常に鮮やかな青色の虹彩やヘテロクロミアを特徴とします。この疾患は常染色体優性遺伝の形式をとることが多く、日本国内の臨床現場でも難聴の精査を契機に虹彩異色が発見されるケースが報告されています。

後天性の原因|外傷、炎症、そして緑内障点眼薬の作用

一方で、幼少期や成人以降に瞳の色が変わる「後天性ヘテロクロミア」も存在します。こちらは神秘的な現象などではなく、眼疾患や物理的ダメージの兆候であることが大半です。

主な後天性要因には以下のものが挙げられます:

・外傷性虹彩炎および鉄沈着症:事故や打撲によって虹彩毛細血管が破綻し、組織内に鉄分や血液成分が沈着して変色する現象。
・ホルネル症候群:交感神経の障害により、病変側の縮瞳、眼瞼下垂とともに虹彩の色素脱失(薄色化)が起きる病態。
・フックス虹彩異色性毛様体炎:慢性のぶどう膜炎により、罹患眼の虹彩萎縮と色素脱失が進行し、徐々に左右差が生じる疾患。
・緑内障治療薬(プロスタグランジン関連薬):ラタノプロストなどに代表される点眼薬の長期使用に伴い、薬液が作用した側の虹彩でメラニン産生が過剰に促進され、瞳が黒く濃くなる副作用。

高橋 健太

高橋 健太

ライフスタイル編集者

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。