「ネット De 真実」に囚われる人々 Snsの罠と深層心理
誤情報の氾濫に対し、公的機関やメディアも手をこまねいているわけではない。総務省による情報流通の実態調査やガイドライン策定が進められるほか、日本ファクトチェックセンター(JFC)などの独立機関がファクトチェック記事を精力的に発信し続けている。
だが、客観的なファクトチェックが「信じ切っている当事者」に届くことは極めて稀だ。社会学者の辻大介氏らが指摘するように、ネット上の分断や極端化は単なる知識不足ではなく、アイデンティティや帰属意識と密接に結びついている。過ちを論理的に突きつけられると、人は防衛本能からかえって反発を強める「バックファイア効果」を起こしやすい。デジタルメディアがどれほど精緻な検証を行っても、感情で結びついたコミュニティの壁を突破するのは容易ではないのが現実だ。