58年の闇を暴く袴田事件:捏造証拠の真相と問われる司法改革
長きにわたる司法の沈黙を破ったのは、静岡地方裁判所による再審無罪判決だった。裁判所は捜査機関による証拠の捏造を明確に認定し、検察側の主張を根本から打ち砕いた。最大の争点となったのは、事件発生から1年以上経過した後に味噌タンクから突如発見された「5点の衣類」である。
1年以上も味噌に漬け込まれていた衣類に、鮮やかな赤みが残るはずがない。専門家による化学実験と科学的実証が、捜査側の見解を完全に否定した。静岡地方裁判所は衣類の血痕のみならず、袴田巌さんの自白調書など計3点の重要証拠について捜査機関の捏造と断定。国家による捜査の暗部が、半世紀以上の時を経て白日のもとに晒された瞬間であった。