赤べこ・会津漆器だけじゃない!福島県の伝統工芸品が世界を魅了する理由
経済産業大臣から「国指定伝統的工芸品」として認定されている福島の4つの産地工芸品は、それぞれが数百年単位の歴史と独自の超絶技巧を誇ります。旅の前に押さえておきたい特徴と見どころを整理しました。
会津漆器(あいづしっき):天正18年(1590年)、名将・蒲生氏郷が産業として奨励したことから本格的な歴史が始まったとされています。堅牢な木地に幾重にも漆を塗り重ねる「下地作り」と、華やかな金粉で描く「会津蒔絵(まきえ)」が大きな特徴です。日常使いのお椀から美術工芸品まで幅広く、使うほどに深みのある艶が増していく経年変化を堪能できます。
大堀相馬焼(おおほりそうまやき):浪江町大堀地区で約300年前に誕生した陶器です。最大の特徴は、入れたお湯が冷めにくく、熱い茶を入れても外側が熱くならない「二重焼(にじゅうやき)」の構造にあります。器の表面に細かく広がる「青ひび(貫入)」が奏でる涼やかな貫入音と、躍動感あふれる「走り駒」の絵付けが、使い手の五感を心地よく刺激します。
会津本郷焼(あいづほんごうやき):東北地方で最古の歴史を持つ窯場であり、ひとつの産地で陶器と磁器の両方を焼造する全国的にも極めて珍しい産地です。約400年前に会津若松城の瓦を焼いたことが起源とされ、素朴で重厚な陶器と、白く透き通るような磁器の双方が楽しめます。現在も会津美里町には個性豊かな窯元が点在し、器好きの巡礼地として賑わっています。
奥会津編み組細工(おくあいづあみぐみざいく):奥会津の三島町周辺で、冬の農閑期の手仕事として受け継がれてきた植物性工芸品です。山葡萄(やまぶどう)の樹皮、ヒロロ(スゲ科の植物)、マタタビなど自生する植物を手作業で採取し、丁寧に編み上げます。特に山葡萄のカゴバッグは、使う人の手の脂によって艶やかな飴色へと育ち、「100年使える一生モノのバッグ」として世代や国境を越えて熱烈なコレクターを生み出しています。