時速250Km超!スピードスキー世界記録の裏側と進化するギア
同じ雪上の滑降競技であっても、一般的なアルペンスキーとこの種目を同列に語ることはできない。旗門を交わしながら旋回するアルペンが「コントロールの美学」であるならば、スピード競走は「制御を限界まで捨て去る狂気」に近い。
使用される板の長さは2メートル40センチを超え、重量も通常の倍以上。ターンを切るためのエッジ処理ではなく、直進時の振れを最小限に抑える重量バランスとキャンバー形状が命となる。転倒=即重大事故という狂気のスピード域において、滑走者は己の筋肉のわずかな震えすら完全に封じ込めなければならない。