ティラノサウルスは人間より遅い?時速と走る速度の真実を最新科学で解明
世界的な大ヒット映画『ジュラシック・パーク』では、ティラノサウルスが全力疾走するジープを激しく追い詰める名シーンが描かれました。あの劇中でティラノサウルスが記録していたとされるスピードは時速約50〜60kmに達しており、多くの人々に「大型獣脚類=恐ろしい俊足」という印象を植え付けました。
1990年代初頭までは、頑丈な脚骨と長い大腿骨の比率から、それほどの最高速度が出せると信じる古生物学者も少なくありませんでした。筋肉の付き方や柔軟性を高く見積もれば、時速40〜54km程度は出せたのではないかという論文も実際に存在していたのです。
しかし、近年のデジタル骨格モデリング技術の進歩は、映画の迫力ある描写がフィクションであることを明確に示しています。後述する骨にかかる衝撃荷重の計算により、仮に時速50kmで突進した場合、方向転換どころか一歩踏み込むだけで脚部が自重を支えきれなくなることが判明しています。