高橋みなとが語る波上のリアル|震災を乗り越え世界へ挑んだプロサーファーの光と影
2011年3月11日。当時17歳だった高橋みなとは、高校卒業を目前に控えていた。地元・宮城県のホームポイントである仙台港周辺は、サーファーにとって最高の波が立つ場所として知られていたが、あの日を境に一変する。巨大な津波が沿岸部を襲い、思い出の詰まった海と街は一瞬にして姿を変えた。
自宅や愛用していたサーフボード、そして大切な日常が失われた。海は恐怖の対象へと変わり、サーフィンを続けることすら憚られるような過酷な状況下。周囲の人々が絶望に包まれるなか、彼女の心を支えたのは「もう一度、あの波に乗りたい」という純粋な衝動だった。
震災後、全国のサーフィン仲間やスポンサーからの支援を受け、高橋は練習を再開した。被災地の復興が遅れるなか、自らがプロとして活躍することが地元の希望になると信じた。恐怖を払拭し、再び海に立つまでの葛藤は想像を絶するものだったが、その経験が彼女の精神力を圧倒的に強く鍛え上げた。