セーターとニットの違いを徹底解明!素材と形状の決定的な差とは
ニット素材の魅力と機能性は、使用される繊維原料によって劇的に変化します。原料は大きく「天然繊維(動物性・植物性)」と「化学繊維」に大別されます。
動物性天然繊維の代表格がウール(羊毛)です。高いクリンプ(縮れ)構造により空気を大量に抱え込み、優れた保温性と吸湿発熱性を誇ります。一方で、最高級天然繊維として君臨するカシミヤ(カシミヤヤギの産毛)は、ウールと比べて圧倒的な軽さと滑らかな肌触りを持ちます。
ウールとカシミヤの違いを物理データで比較すると、繊維の細さ(繊度)に決定的な差があります。一般的な羊毛の太さが約20〜25マイクロメートル(μm)であるのに対し、カシミヤは約14〜16マイクロメートルと極めて細密です。人間の肌がチクチク感を感じる閾値はおよそ20〜21μm前後とされているため、繊維の細いカシミヤは素肌に触れても刺激が極めて少なく、独特のヌメリ感と上質な光沢を放ちます。
また、近年定着したサマーニットと冬用ニットの使い分けも、素材特性に基づいています。冬用ニットがウール、モヘア、アルパカ、アンゴラといった動物毛の保温力に頼るのに対し、サマーニットは熱伝導率が高く放熱性に優れたリネン(麻)、強撚コットン(強く撚りをかけた綿糸)、さらには和紙混紡糸を採用しています。糸の表面にある毛羽立ちを極限まで抑え、粗めの編み目(ローゲージや透かし編み)に設計することで、真夏でも風が通り抜けるドライな肌離れの良さを実現しています。