ヒゲダン「ノーダウト」月9抜擢の真相と歌詞・Mvの魅力を徹底解剖

ヒゲダン「ノーダウト」月9抜擢の真相と歌詞・Mvの魅力を徹底解剖の最新情報をご紹介します。最新トレンドがチェックできます。

ネット上の言説やライト層の間では、「Official髭男dismのブレイクのきっかけは2019年の『Pretender』である」と語られるケースが散見されます。しかし、これは音楽マーケティングの実態から見れば半分正しく、半分は誤解です。

確かに世間一般的なメガヒットとしての爆発点は「Pretender」でした。しかし、音楽業界関係者、全国のFMラジオ局のディレクター、そして熱心な邦楽リスナーの間で「とんでもないバンドが現れた」と決定的な地殻変動を起こしたのは、紛れもなく2018年の「ノーダウト」でした。

「ノーダウト」によって確固たる業界評価とコアなファンベースを確立し、全国ツアーの規模を急拡大させていた助走期間があったからこそ、「Pretender」での歴史的社会現象へと一直線に繋がったのです。「ノーダウト」なしにヒゲダンのブレイクストーリーを語ることはできません。

【プロの結論】音楽社会学の視点から紐解くヒゲダンサウンドの普遍性

なぜ「ノーダウト」はこれほどまでに時代を揺さぶったのか。その深層には、2010年代後半の日本のポップミュージックが直面していた閉塞感を打ち破る、音楽的イノベーションがありました。

当時、邦楽シーンはギターロック主体のサウンドか、あるいはEDM・エレクトロを取り入れたダンスミュージックが主流を占めていました。そこにヒゲダンが提示したのは、「ピアノを中心としたブラックミュージック(ファンク、ソウル、ゴスペル)の素養」×「日本人が本能的に心地よいと感じる極上の歌謡メロディ」の完全な融合でした。

高度なコードプログレッションと豊かなブラスアレンジを用いながらも、決して玄人向けの難解さに逃げず、誰もが口ずさめる大衆ポップスへと昇華させる。この卓越したバランス感覚こそが、ヒゲダンが世代を超えて愛される最大の理由であり、「ノーダウト」はその革新性がもっとも純度の高い形で結晶化した記念碑的マスターピースなのです。

林 結菜

林 結菜

ライフスタイル編集者

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。