石坂浩二版『水戸黄門』知られざる降板の真相と革新的な演技の全貌
石坂からバトンを受け取ったのは、かつて「助さん」として長年番組を支えた里見浩太朗だった。五代目となった里見は、初代・東野英治郎の持つ親しみやすさと重厚感を受け継ぎつつ、優雅な品格を漂わせる黄門様を作り上げ、番組を再び安定軌道へと導いた。
テレビ時代劇業界全体が衰退の波に洗われる中、この継承劇は劇的な転換点となった。石坂浩二が提示した「知的で人間味あふれる光圀」という異色のスパイスがあったからこそ、その後の里見版における王道への回帰がより鮮烈に引き立ち、シリーズの息吹を長永らえさせる結果となったのは紛れもない事実である。