目が据わってる人の心理と視線!映画演出と臨床心理が明かす真相
視線の持つこの心理的インパクトを劇的な演出技法へと昇華させたのが、伝説的監督スタンリー・キューブリックだ。彼が確立した「キューブリック・ステア(Kubrick Stare)」と呼ばれる撮影手法は、頭部を僅かに下へ傾け、眉下から上目遣いでカメラを凝視する視線によって構成される。
名作サイコホラー映画『シャイニング』において、主演のジャック・ニコルソンが見せたあの狂気に満ちた眼光は、まさにこの演出の金字塔と言える。狂気へと堕ちていく男の精神状態を表現するため、視線の一点突破と無表情な威圧感が完璧に計算し尽くされていた。観客の脳裏に刻み込まれる恐怖は、人間の本能的警戒心を直接刺激する映像美学の結実だった。