五箇山に響く鼓動!日本最古のこきりこ節とささらの知られざる起源

五箇山に響く鼓動!日本最古のこきりこ節とささらの知られざる起源にまつわる興味深い視点を詳しく紐解きます。

演舞の主役となる楽器が、ささら(編木・板ささら)だ。ヒノキの薄板108枚を木綿の紐で一列に編み上げたこの道具には、仏教でいう「百八の煩悩」を打ち払う意味が込められている。両端の丸い木柄を左右の手で持ち、アーチ状にしならせながら胸の前で波打たせる。その姿は、天に昇る龍の躍動そのものだ。

だが、見事な音を鳴らすのは容易ではない。初心者が握れば、板同士が噛み合わず鈍い音がこもるだけだ。美しい連鎖音を響かせる秘訣は、手首の脱力と絶妙なスナップにある。腕の力で無理に引くのではなく、左右の手のひらを互い違いに滑らせ、木片がドミノのように自重で崩れる衝撃を利用する。熟練の打ち手が鳴らせば、澄んだ空気のなかで「ジャッ」と小気味よい摩擦音が炸裂する。目を見張るほどのスピードで円を描くアクロバティックな所作は、視覚と聴覚を同時に揺さぶる。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。