井上陽水と玉置浩二『夏の終りのハーモニー』誕生秘話と神宮の奇跡
二人の関係性を語る上で欠かせないのが、北海道・旭川から上京した安全地帯が歩んだ下積み時代です。1981年から1983年にかけて、安全地帯は井上陽水の全国ツアーにおけるバックバンドを務めていました。当時の音楽関係者の証言や記録によると、陽水は玉置浩二の卓越したメロディセンスと歌唱力を初期段階から高く評価しており、単なるサポートミュージシャン以上の信頼を寄せていたことが分かっています。
その才能を世に知らしめる決定打となったのが、1983年に井上陽水が作詞を手がけた安全地帯の4枚目シングル『ワインレッドの心』でした。同曲のメガヒットによって安全地帯は一躍トップバンドへと駆け上がり、恩師と弟子という関係から、チャートを牽引するライバル同士へと立ち位置が変化していきます。
そして1986年8月20日・21日、二日間にわたり明治神宮野球場で開催された野外ジョイントコンサート「スターダスト・ランデブー」において、二人は再び交わりました。約神宮球場に集まった延べ6万人以上の観客の前で、この歴史的イベントの象徴として書き下ろされ、初披露された楽曲こそが『夏の終りのハーモニー』でした。