森英恵デザインの制服が愛され続ける理由と採用校・名作の全貌
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1980年代以降、日本の教育現場では詰め襟(学ラン)やセーラー服からブレザースタイルへの転換期が訪れました。その牽引役となったのが、ハナエモリのスクールユニフォームラインです。全国の学校で採用された学校制服ブレザーには、他の既製品とは一線を画す明確な3つの設計特徴が存在します。
第一の特徴は、日本人特有の骨格を美しく見せる独自の立体パターンです。平面的になりがちなスクールブレザーにおいて、肩のラインから胸元、ウエストのシェイプに至るまで、身体の成長を妨げない適度なゆとりを持たせつつ、すっきりとシャープに見せるカッティングが施されています。これにより、体型を問わず着用者が端正に見える視覚効果を生み出しました。
第二の特徴は、気品あるオリジナルファブリックと繊細なカラーリングです。「ハナエモリ・ネイビー」と称される深みのある濃紺は、日光の下でも室内灯の下でも落ち着いた発色を維持します。スカートやスラックスに用いられるチェック柄も、派手さを抑えながら洗練されたトーンで統一され、3年間毎日着用しても飽きがこない品格を保ちます。
第三の特徴が、随所に控えめに配された蝶のモチーフのディテールです。ブレザーの金ボタン、エンブレム刺繍、ネクタイやリボンの織り柄、裏地のジャカード織りに至るまで、ハナエモリのアイデンティティであるバタフライが優雅に施されています。過度な主張を避けつつも、「本物のデザイナーズブランドを身に着けている」という満足感を生徒に与える細やかな工夫が凝らされています。