80代半ばを迎えた名優の現在地――竜雷太が今なお日本エンタメ界の「生ける伝説」であり続ける理由
竜雷太のキャリアを俯瞰すると、その幅広さに改めて圧倒される。文学座附属演劇研究所を経て飛び込んだテレビの世界で、彼はまず「熱血漢」の代名詞となった。スポーツマンシップと若さの暴走をそのままフィルムに焼き付けたような初期の姿は、高度経済成長期の日本が求めていた直球のエネルギーそのものだった。
しかし、彼はひとつのイメージに安住することを頑なに拒んだ。年齢を重ねるにつれ、善人から冷徹な権力者、どこか狂気を孕んだ老人まで、役柄のグラデーションは一気に広がっていく。太い眉と響き渡る低音ボイス、そして圧倒的な体躯。これら生まれ持った特徴を武器にしながらも、年齢とともに引き算の芝居――沈黙や視線の揺らぎで語る術――を身につけていったのだ。