病院で必ず聞かれる「家族歴」知らないと損する本当の意味と遺伝との決定的な違い
ここが最も誤解されやすいポイントですが、家族歴と遺伝は同一ではありません。遺伝とは、特定の遺伝子変異が親から子へ直接受け継がれる「メンデル遺伝」のパターンを指し、たとえば遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の原因遺伝子であるBRCA1/2のように、明確な遺伝子異常が同定されるケースです。一方、家族歴はもっと広い概念で、環境因子・食習慣・生活リズムなど、家族で共有する非遺伝的要因まで含みます。
また、「既往歴」との違いも明確に区別しておく必要があります。既往歴は「本人が過去にかかった病気」の記録であり、家族歴はあくまで「血縁者の病気の記録」です。問診票で「既往歴:高血圧」「家族歴:父・脳梗塞、母・糖尿病」と別欄になっているのはこのためです。診断書や紹介状においても、家族歴と既往歴は別項目として記載が求められ、混同すると医療過誤につながりかねないため医療従事者は厳密に使い分けています。