組成式と分子式の違いとは?結合で一瞬で見分ける超明快ルール
大学入試の有機化学分野において、未知の化合物を特定する第1歩となるのが「元素分析実験から組成式(実験式)を割り出し、分子量を掛けて分子式を決定する」という計算プロセスです。
この導出フローは、以下の3つのステップで論理的に進行します。
ステップ1:各元素の質量(または質量パーセント)を測定する
有機化合物を完全燃焼させ、発生した水($H_2O$)の質量増加から水素($H$)の質量を、二酸化炭素($CO_2$)の質量増加から炭素($C$)の質量を算出します。試料全体の質量から炭素と水素を差し引くことで、酸素($O$)などの質量を確定します。
ステップ2:各元素の物質量(モル数)の比を求め、最も簡単な整数比にする
各元素の質量をそれぞれの原子量($C=12, H=1.0, O=16$)で割ることで、モル比を求めます。
$$\text{モル比} = \frac{W_C}{12} : \frac{W_H}{1.0} : \frac{W_O}{16}$$ これを最も簡単な整数比に直したものが組成式(実験式)となります。例えば比率が $1:2:1$ であれば、組成式は「$CH_2O$」(式量30)と決定します。
ステップ3:分子量測定値と比較して分子式を確定する
凝固点降下法や気体の状態方程式、質量分析などから得られた真の分子量(例えば $M = 60$)と比較します。
$$\text{分子式} = (\text{組成式})_n \quad \left(n = \frac{\text{分子量}}{\text{式量}} = \frac{60}{30} = 2\right)$$ この計算により、分子式は $(CH_2O)_2$ すなわち $C_2H_4O_2$ であると一意に確定します。