有福神楽保持者会の真実|300年の神舞を過疎の街で守り抜く執念と継承の軌跡
どれほど輝かしい伝統であっても、時代の変化からは逃れられない。浜田市下有福町は、多くの過疎地域と同様に少子高齢化の荒波に晒されている。かつては町内の若者が競って神楽会に入会していたが、進学や就職による都市部への人口流出が加速。保存会の存続そのものが危ぶまれる時期が存在した。
舞手一人を一人前に育てるには、最低でも数年の歳月を要する。特に有福神楽独特の重厚な舞風を身につけるには、厳しい稽古に耐える情熱が不可欠だ。人手不足は即座に演目の削減に繋がり、ひいては伝統の途絶という最悪のシナリオを引き起こしかねない。保持者会は大きな岐路に立たされていた。