なぜ中国人はマスクを着用するのか?現地調査で見えた意外な理由
中国のマスク文化を語る上で欠かせない歴史的背景が、かつて社会を震撼させた大気汚染問題だ。都市部を襲うPM2.5の脅威は国民的な関心事となり、元中央テレビのアナウンサーが制作したドキュメンタリー映画『穹頂之下』は、数億回以上再生されて空前の社会的議論を巻き起こした。
この時期、市民の必需品となったのが高機能なKN95規格マスクである。厳しい微粒子捕集効率をクリアしたこの製品は、文字通り人々の命綱となった。中国疾病予防管理センターや世界保健機関(WHO)が連日のように大気質指標と健康リスクの警鐘を鳴らす中、マスクは国民の「自己防衛の象徴」として社会に根付くことになったのだ。