含み益数十兆円?外為特会の実態と財政を揺るがす埋蔵金の行方

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政治家が「財源」として涎を垂らす資金の正式名称は、外国為替資金特別会計という。国の予算が一般会計と特別会計に分かれているなかで、この勘定は外国為替相場の安定を目的に独立して管理されている。仕組みは極めてシンプルかつ特異だ。政府が「政府短期証券(FB)」と呼ばれる短期国債を発行して円資金を調達し、それを元手にドルなどの外貨を購入して運用する。つまり、手元にある資産の裏側には、常に同額の円建て借金が存在している。

円安が進めば、保有するドル資産を円換算した価値が跳ね上がり、帳簿上は莫大な「為替差益」が発生する。このメカニズムこそが、世間を騒がせている含み益の正体だ。だが、専門的な財政金融政策解説に目を向ければ、これが単なる評価額の膨張に過ぎないことは明白である。実際にドルを売却して確定させない限り、円高に振れれば一瞬で消え去る幻影に過ぎない。

さらに見落とされがちなのが、資産と負債の両建て構造が抱える金利リスクだ。調達コストである円金利がゼロ近傍に張り付いていた時代は、高金利のドルを運用することで莫大な利払い差益(逆ザヤならぬ順ザヤ)が転がり込んできた。しかし、金利ある世界への回帰に伴い、政府短期証券の利払い負担は確実に重くなっている。資産の利回りと負債コストのバランスは、かつてないほど繊細な舵取りを迫られているのだ。

山崎 陸

山崎 陸

ガジェット&アプライアンスライター

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