ざるそばともりそばの違いは海苔だけ?歴史やつゆの秘密をプロが解説

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「ざるそば」の誕生は、江戸時代中期の宝暦から明和年間(1751年〜1772年頃)に遡ります。発祥の地とされているのが、江戸・深川州崎にあった蕎麦屋「伊勢屋勘兵衛」です。

当時、他店との差別化に頭を悩ませていた伊勢屋の店主が、料理を盛る器として竹ざるを用いたのが始まりでした。竹ざるを使うことで水切れが劇的に良くなり、蕎麦がふやけず最後までコシを保ったまま美味しく食べられると、江戸の町人の間で瞬く間に大評判となりました。

これに目をつけた周囲の蕎麦屋も追随し、ざるそばは「ひと手間かけた上質な蕎麦」としての地位を確立します。その後、明治時代に入ると、さらに特別感を演出するために一番粉(更科粉)を用いた白い高級蕎麦を使用し、その目印として「刻み海苔」を散らすスタイルが定着しました。つまり、海苔は高級品であることを客に一目で伝えるための演出だったのです。

前田 葵

前田 葵

サステナビリティ研究家

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。