天国東京の真実|Wacko Mariaが構築した裏原宿の美学と都市カルチャーの全貌
ストリートファッションにおけるスローガンの多くは、英語のアルファベットで綴られてきた。SupremeやStüssyに代表される欧米のカウンターカルチャーがその王道であったからだ。しかし、WACKO MARIAはあえて漢字で「天国東京」と背中に刻み込んだ。
ここには、昭和の怪しげなネオン街、刺青文化、昭和歌謡、任侠映画の持つ哀愁と、ジャマイカのレゲエやロンドンのルードボーイスタイルを等身大でチャンプルー(混ぜ合わせ)した美学が存在する。
天国とは、完璧な理想郷のことではない。欲望が渦巻き、危うさと美しさが背中合わせになった「東京」という都市そのもののカオスを指している。この背徳的でありながら気品漂うグラフィックは、国内外のストリートキッズからヴィンテージコレクターまでを熱狂させた。