謎の青いダンゴムシ急増の真相!イリドウイルス感染の全貌を追う
最も戦慄すべきは、肉体の変色と同時に進行する「精神の乗っ取り」とも呼ぶべき行動操作だ。標的となるオカダンゴムシ(Armadillidium vulgare)は本来、暗く湿った落ち葉の下を好み、光を極端に嫌う強い負の走光性を持つ。
ところが、感染が臨界点に達した個体は突如として日光を求め始める。日中のアスファルトの上、コンクリートブロックの頂点、開けた公園の遊歩道——。隠れ家を捨て、あえて目立つ乾いた場所へと這い出していくのだ。
鮮やかな青色と、日陰を捨てる異常行動。この2つが組み合わさった結果、何が起きるか。天敵であるセキレイやスズメ、ヒヨドリなどの視覚依存型ハンターにとって、青く輝くダンゴムシは格好の標的となる。鳥に捕食されることでウイルスは移動手段を獲得し、未感染の新たな生息地へと運ばれる可能性がある。自らを最も目立つ姿に変え、天敵の胃袋へと飛び込ませるウイルスの生存戦略は、冷徹なまでに無駄がない。