サンマ不漁は中国のせい?公海乱獲と急増する消費の真相【2026年】
そもそも歴史的に、中国本土にはサンマを食べる食習慣がほとんど存在しませんでした。特有の苦味を持つ内臓や細長い魚体が好まれず、市場価値も低かった魚です。その状況が一変したのは2010年代以降のことでした。
需要急増の最大の起爆剤となったのは、中国全土に広がった日本食・居酒屋ブームと、大衆的な屋台やバーベキュー(BBQ)文化への定着です。特に、串に刺してクミンや唐辛子などの香辛料を効かせて香ばしく焼き上げる「烤秋刀魚(カオチュウダオユイ)」が、安くて旨い酒の肴として若者を中心に爆発的なヒットを記録しました。
さらに、中国国内の健康志向の高まりに伴い、DHAやEPAを豊富に含む青魚の栄養価が再評価されたことも消費拡大に拍車をかけました。14億人の胃袋を抱える巨大市場でひとたび大衆的人気に火がついた結果、国内需要を満たすための大規模なサンマ調達が国を挙げた一大ビジネスへと急速に発展したのです。