『十角館の殺人』実写化の衝撃。綾辻行人が紡ぐ本格ミステリの全貌
長年、映像関係者の間で「実写化不可能」の筆頭として挙げられ続けてきたのが、1987年に講談社から刊行された歴史的名作『十角館の殺人』だ。紙の小説という媒体だからこそ成立する圧倒的な叙述トリックが仕掛けられており、カメラのレンズを通した瞬間にそのカラクリが破綻すると考えられていたからである。
しかし、その高すぎる壁を打ち破ったのがHuluによるオリジナルドラマ化だった。制作陣は原作が持つ緻密な緊張感を損なうことなく、映像ならではの視覚的アプローチを徹底的に模索。配信開始直後からSNS上では歓喜と驚愕の声が吹き荒れた。極限まで研ぎ澄まされた演出は、原作者である綾辻行人の美学を忠実に再現してみせたのである。