赤木しげるの最期と安楽死の真相|『天』通夜編が遺した伝説の名言
通夜編において最大の山場となったのが、アカギとひろゆきによる最期の対話です。優柔不断で「成功」や「世間体」に縛られがちだった青年のひろゆきは、涙ながらに「生きてさえいればいいじゃないですか」「カッコ悪くてもいいから生きてください」とアカギに縋りつきます。
そんなひろゆきに対し、アカギは穏やかな笑みを浮かべながら、人生の本質を説き明かしていきました。世間が定義する成功や失敗という物差しに囚われ、身動きが取れなくなっていたひろゆきの心を、アカギの言葉が真っ向から解き放ちます。
「成功を目指すな……と言ってるんじゃない。その成否に囚われ、思い煩い、止まってしまうこと……熱を失ってしまうこと……これが痛い……!」
そして飛び出したのが、漫画史に残る屈指のフレーズ「いいじゃないか……三流で……! 熱い三流なら上等よ……!」という名言です。何者かになろうとして足踏みするのではなく、無様でも自分の熱意のままに生き切ることの尊さを説いたこの言葉は、ひろゆきのみならず読者の胸に強く刻まれる赤木しげるの生き様そのものでした。