幸福の国ブータンは嘘か?幸福度急落の真相と若者流出に見る2026年

幸福の国ブータンは嘘か?幸福度急落の真相と若者流出に見る2026年についての真相をご紹介します。

しかし、伝統と精神性を重んじる美しい理念の裏側で、現実の社会構造は深刻な歪みを抱えるようになりました。その最たるものが若年層の失業問題と急速な頭脳流出(ブレイン・ドレイン)です。

ブータンでは教育の無償化によって若者の高学歴化が進みましたが、国内には彼らの受け皿となる民間企業やホワイトカラーの雇用が極端に不足しています。主要産業は水力発電(インドへの電力輸出)と伝統的な農業、そして限定的な観光業に限られており、都市部における若者の失業率は一時20%を超え、大きな社会不安を引き起こしました。

この状況に拍車をかけたのが、オーストラリアへの移住・留学ブームです。より高い賃金とキャリアの機会を求め、多くの若者、さらには公務員、医師、看護師、教員といった国家の中核を担う専門職までもが、相次いで国を離れました。人口約80万人の小国において、数万人規模の生産年齢人口が流出したことは、行政サービスの停滞や教育現場の人手不足など、国家の存続を揺るがす深刻な危機となっています。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。