世界遺産・識名園の深層!海を隠した琉球王国の外交秘話と見どころ解説
沖縄観光のシンボルである首里城と識名園には、明確な役割の違いが存在します。
首里城が政治と儀礼の表舞台であり、朱塗りの壮麗な城郭建築で王権の威厳を示す場所であったのに対し、1799年に完成した識名園は「南苑(なんえん)」とも呼ばれた王家の別邸でした。国王一家の静養の場であると同時に、冊封使を非公式にもてなし、心を通わせるための迎賓館としての機能を担っていたのです。
識名園の構造は、池の周囲を歩きながら景色の変化を楽しむ日本の「池泉廻遊式庭園」をベースにしつつ、中国風の東屋や琉球特有の石灰岩加工技術が随所にミックスされています。首里城の壮大さとは趣を異にする、静謐(せいひつ)で洗練された「和漢琉の調和美」こそが、世界遺産として高く評価される所以です。