『虎に翼』吉田恵里香の執筆秘話と次回作!人物を愛する脚本の極意
彼女の作品を語る上で欠かせないのが、社会的なテーマやマイノリティの生きづらさを、極めて上質なヒューマンドラマとして昇華させる手腕である。例えば、アセクシャル・アロマンティックをテーマに据え、大きな話題を呼んだ『恋せぬふたり』では、恋愛感情を前提としない二人の関係性を温かく、かつ鋭い視点で提示してみせた。
「普通とは何か」「家族とは何か」という重厚な問いを提示しながらも、説教臭さを一切感じさせない。クスッと笑えるテンポの良い掛け合いや、思わず共感してしまう細やかな日常描写の中に、重要な問題提起をさりげなく滑り込ませる。押し付けがましさのないこの繊細なバランス感覚こそが、幅広い層の視聴者の共感を呼ぶ最大の理由だろう。