栃木事件の真相に迫る|那須遺棄事件の動機と裁判で明かされた全貌
捜査本部の詳細な実況見分によって明らかにされた那須事件詳細の現場状況は、冷酷極まりないものでした。夫妻は東京都品川区内の空き家物件へおびき出され、そこで待ち伏せていた実行役らによって暴行・殺害された後、レンタカーのトランクに積み込まれて東北自動車道を北上しました。
栃木事件現場となった那須町伊王野の河川敷は、街灯がほとんどなく、夜間は完全な暗闇に包まれる場所です。土地鑑の乏しい実行役がなぜこの場所を選んだのか。公判資料によれば、仲介役の佐々木被告や首謀者側から「人目につかず、処分しやすい場所」として大まかな方角やエリアが示唆され、ナビゲーションアプリを頼りに現場を選定していた事実が判明しています。
現場では遺体にガソリンが撒かれ、火が放たれていました。しかし、犯行の杜撰さと現場の視認性の悪さから完全な隠蔽には至らず、煙と炎に気づいた散歩中の近隣住民が午前6時すぎに110番通報したことで、想定より遥かに早く事件が発覚しました。「隠滅工作の凄惨さ」と「計画の粗雑さ」が同居する現場の実態は、使い捨ての実行役を使った分業型犯罪の決定的な弱点を露呈していました。