矢後直規の視覚革命:Radwimpsやラフォーレを魅了するアートディレクターの美的思想と軌跡
矢後直規の創作の原点は、武蔵野美術大学での学びにさかのぼる。視覚伝達デザイン学科において、単に綺麗に情報を整理する技術だけでなく、「視覚情報がいかに人々の身体感覚や記憶に作用するか」という本質的な課題に向き合った。大学卒業後の2009年、大手広告代理店である博報堂に入社。ここで実務における徹底したクライアントワークとグラフィックの基礎体力を養うことになる。
転機となったのは、先進的なクリエイティビティを追求するインターナショナル・クリエイティブ・カンパニー「SIX」への参画だ。従来の広告手法に囚われないコンテンツ表現を目指すSIXにおいて、矢後は自らの美学を前面に打ち出した作品を次々と発表し始める。クリエイティブディレクターのアイデアを単にビジュアル化する作業者にとどまらず、ビジュアルそのものによって企画の文脈を拡張するアートディレクターとしての地位を確立していった。