渋谷の森で25年、子どもが泥まみれで育つ場所の真実
せせらぎ冒険遊び場の特徴は、天候に関係なく開園する姿勢だ。台風や大雪でない限り、スタッフは現地に立つ。なぜか。
代表代理の小水氏によれば「雨の日にしかできない遊びがある」からだという。水たまりに飛び込む。泥で造形する。濡れた木の幹を登る難しさを知る。自然は晴れの日だけで完結しない。
実際、雨天時には普段来ない常連家族が現れる。「雨だからこそ来ました」と話す母親もいる。子どもたちは長靴とレインコートで武装し、いつもより大胆に水と戯れる。
開催時間は10時から17時まで。昼休憩を挟まない連続開園だ。子どもの集中力は時計では測れない。穴掘りに没頭して3時間過ぎることもある。そんな時間を守るために、スタッフは交代で見守り続ける。
ボランティアスタッフの実態
運営を支えるのは約20名の登録ボランティア。教師、デザイナー、主婦、大学生―職業も年齢もバラバラだ。共通点は「子どもが自分で育つ力を信じている」こと。
彼らは遊び方を教えない。見守るだけだ。ただし、命に関わる危険がある時だけは介入する。その線引きが難しい。経験を積んだスタッフでも判断に迷う瞬間がある。