昭和天皇の原点・乃木希典との絆|厳格な教育と殉死の真相に迫る

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1912年(大正元年)9月13日、明治天皇の大葬が行われた日の午前、乃木希典は静かに赤坂御所を訪れました。この日、乃木は妻の静子と共に明治天皇のあとを追って自刃する覚悟を固めていましたが、周囲にはその素振りを一切見せませんでした。

乃木は11歳の裕仁親王の前に進み出ると、山鹿素行が著した歴史書『中朝事実』と『朱註孝経』の2冊を恭しく献上しました。そして、次のような言葉を遺しました。

「これからは皇太子殿下として、お身体を大切になさり、国家のために勉学に励んでください」

乃木はさらに、自ら朱筆を入れて重要な箇所を記した書籍を開き、日本の歴史と天皇の役割について涙をにじませながら懇々と説きました。これが、乃木希典が昭和天皇に遺した事実上の「最後の遺言」となりました。裕仁親王は、いつもと異なる院長の切迫した面持ちとただならぬ気迫に、言葉にできない重みを感じ取ったと伝えられています。

鈴木 陽菜

鈴木 陽菜

テックライター兼ウェブディレクター

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